第125回日本皮膚科学会総会に参加しました~最新の知見を皮膚科診療へ~
こんにちは。
多治見こばやし皮フ科形成外科です。
最新の知見を学び、地域の皆さまへより質の高い医療を提供するため
京都で開催された第125回日本皮膚科学会総会に参加してまいりました。

日本全国の皮膚科医が集まり、最新の診断と治療を学ぶだけでなく
日常診療で出会う事が多いアトピー性皮膚炎や酒さ等の疾患の病態について、
新たな知見も含めて理解を深める事が出来る貴重な機会です。
開業前の今だからこそ、多治見市および東農地区の皆さまへより良い医療を提供できるよう研鑽しております。
日常診療で相談が多い疾患について
まずは日常診療で相談をいただく機会が多い疾患について病態を再確認することが
多治見市の皆さまに貢献するために必要だと考えて、
以下の疾患に関する講演を中心に学びました。
・アトピー性皮膚炎
・酒さ(赤ら顔)
・痒疹
・アレルギー疾患(食物アレルギーと皮膚の関係)
・脂漏性皮膚炎
・脱毛症
そして、これらの講演を通して以下のテーマを重点的に学ぶ事が出来ました。
「アトピー性皮膚炎の三位一体論」
「顔の赤みの原因の1つ、酒さについて」
「痒みのきたす湿疹、痒疹についての機序」
「アレルギーにおける二重暴露仮説。アレルギーは皮膚を治すことも重要」
「脂漏性皮膚炎をはじめ頭のかゆみをきたす疾患の鑑別方法」
「脱毛症の分類と治療方法について」
これらのテーマは講演会等で何度も取り上げられる位重要であり、
皮膚科診療をする上で絶対に知っておく必要があります。
本学会を通して、知識を整理する事ができて大変有意義だったと感じております。
今回学んだ内容を、開院後の皮膚科診療へしっかり活かしていきます。
ポスター発表で得た学び
講演だけでなく、全国の医療機関から出されたポスター発表も非常に勉強になりました。
・アトピー性皮膚炎や乾癬、じんましんや円形脱毛症に対する分子標的薬の有効性と合併症
・掌蹠膿疱症に対するアプレミラストの有効性の検証
といった最新の治療法を交えた発表や
・水疱症、血管炎、膠原病
といった日常診療では頻度は多くないが見逃してはならない疾患に関する発表、
・皮膚科に限らず他の科でも処方されうる薬での副作用
・マダニ刺咬傷について
といった発表まで、幅広い内容を学ぶ事が出来ました。
また皮膚腫瘍と皮膚がんの鑑別方法や手術方法、血管腫や小児のあざのレーザー治療、
創傷治癒(傷あとが治る機序)や皮膚感染症に対する早期の外科的対応、
にきびや酒さ、多汗症の治療法など、形成外科と関連する内容も多いことに気が付きました。
皮膚科と形成外科、それぞれの専門知識と良い所を組み合わせることで
患者様により良い治療が提供できる可能性を見出せたように感じます。
美容皮膚科領域についての学び
本学会では保険診療の皮膚科に関する学びがメインでしたが、
美容皮膚科分野も、以下について臨床に役立つ考え方を身につけることが出来ました。
・ケミカルピーリングの適応と安全性、特にニキビや毛穴、くすみに対して。
・肝斑に対する治療戦略。トラネキサム酸の内服と外用について。
・肌育製剤について。赤み、肌のハリ、たるみに対する新たな治療法として。
美容医療は新しい治療法が次々と登場していますが、
表面上のうたい文句だけでなく安全性や適応の見極めが何よりも重要です。
患者さま一人ひとりのお悩みや肌質に合わせた美容医療を提供するために、
保険診療の皮膚科・形成外科で培われた医学的知識と経験を土台として
安全性と医学的根拠を重視した診療を行ってまいります。
「最新」だけでなく「最適」を
本学会では新しい治療法や知見を学びましたが、全ての患者様に新しい治療が適している訳ではありません。
最新のエビデンスを踏まえつつも、伝統的に行われてきた治療法も組み合わせて
・本当に必要な治療か
・安全性は十分か
・患者様のニーズに合っているか
まで考えて、一人ひとりに合った最適な治療を提案し、提供する事が重要であると再確認しました。
開院まであと4か月となりました。これからも学会や講演会への参加を通じて知識と技術を磨き、
多治見市・東農地区の皆さまに安心してご相談いただけるクリニックを目指して準備を進めます。
開院の日に、より良い医療をお届けできるよう、引き続き研鑽を重ねてまいります。

学会では同時間帯に複数の講演が行われるため、全てを現地で聴講することができませんでした。
2026年7月23日からは事後配信が始まるため、当日聴講できなかった講演を聞いて学びを深めていく予定です。
特に
・学校保健・小児皮膚科の最新情報
・小児アトピー性皮膚炎を全身の視点から捉え直す
・地域に根ざした高齢者皮膚科診療
・ダーモスコピーの基本
・尋常性白斑の病態理解から治療update
・脱毛症の治療選択とその背景
・日焼け対策と光老化の予防
・美容医療を考える~美容皮膚科の目指すもの~
などの日常診療に直結する内容をさらに学び、開院後の診療に活かしてまいります。
引き続きよろしくお願いいたします。
